ザバー…、

シトシト、

ポタポタ、

ボタボタのんが正しい?














「なに見とんねん」
「いやー、謙也さんアホやなぁ思て見てただけですわー」
「どうせアホや…」
「…………。だいじょーぶなんですかー?」
「こんくらいやったら風邪引かんやろ」
「せやなく…、て」
「なにが言いたいねんお前」





全身ずぶ濡れ、風邪引かんわけないのに強がっとる。
アホや、ホンマアホやわこの人。







「告られとったやないですか、」
「見とったんかいな…、悪趣味やで」
「此処でサボっとったら寝てましてん。煩ぁて起きたら誰か告られとるし、ムカついたんで誰や思て見てみたら謙也さんやっただけですやん」
「全部見とってんなー」
「そら見てましたよ、謙也さんが告られとんのなんて珍しいやないですかー」
「腹立つ言い方しか出来んやっちゃなー」
「…」







そら見とったわ。
どんな返事するか気になるやん、好きな人が告られとんねんから。
はよ気が付けアホ。







「タオル要ります?」
「持っとんのか?」
「カバン在るんで入ってますよ?」
「ほんなら貸してぇや…、流石にコレで帰ったら不味いやろーからな」
「……ん、」
「あんがとー」







ずぶ濡れ、濡れ鼠?いや、コレはちゃうか…。
告られて断ったまでは良かったのにな、イジメみたいやわ。







「昼メシ食いました?」
「まだや。鳴ってすぐ呼び出されたんや」
「そんなかっこやったら、教室戻れんのでしょ?」
「戻れんなぁ…どないしよ、午後も危う」







苦笑いされても困る、どないせー言うねんアンタ…。
嗚呼、確か冬用持っとったハズや。







「謙也さん、謙也さん、け・ん・や・さーん」
「なんやねん!一回で聞こえとるっちゅーねん!」
「要ります?」
「お前…なんでそんなん持っとんねんな」
「昨日洗濯しとったからですわ」
「ほー…、なんなん?ソレ貸してくれんのか?」
「丈合わんやろーけど、ないよりましやないですか?」
「ありがたーく貸して貰う事にするわ」







ジャージ在ってホンマ良かったわ。
人生何が在るかホンマわからんもんやな。







「なんでさっきのん断ったんですか?めっちゃ謙也さんの好みのタイプやったやん」
「あー…しゃーないわ、決めたヤツ居んねんやから」
「うわーそないな話しオレ初耳ですわー」
「なんでそんな棒読みやねん!!それに、誰にも言うてへんし当たり前やんけ!」







なら失恋確実や…、しゃーない見てもらえるわけないんやから。
自惚れたらアカンのや。







「告らんへんのですか?」
「受け入れて貰えるか謎やねん、言うても冗談やて思われる」
「マジな顔して言うたらええやないですか。謙也さん、普段は白石部長の横居って霞んどるけど、一人やと割りとカッコええ分類に入るんやし」







寧ろ、アンタに告られる奴が羨ましいわ。
そんな想われとんのに、そんな顔して言っとるのに、腹立つ、最悪や。







「光ぅー、俺ってホンマかっこええ?」
「うざいっスわ、自身持ったらええやないですか。普段アレだけ言うとるくせに」
「……せやんな。俺らしないやんな」







ウザイウザイウザイウザイウザイウザイウザイ!!
はよこんな会話終わったらええんや、そしたら全部終いにするんや!







「光、」
「なんですか」
「好きや」
「…………………………………は?」







今、なに言うたこの人。
なに?聞き間違い?耳まで可笑しなったんか俺。







「謙也さん…………、今、なんて言ぃはりました?」
「せ、せやから!光のこと好きやって言うたんやけど…」
「い、意味解らへんし。どの流れでそうなってんねん。俺で練習せんといて下さい、」
「練習なんかやない!マジに言うとるんや!!」
「……、」
「答えてぇや、光」







嬉しい、うれしい、ウレシイ、この鼓動ごと、伝わればええのに、全部ぜんぶ伝わってまえばええんや。


























「ちょ、光ッ!!なに泣いとんねん!!」
「う、うっさい!謙也くんのアホ、単細胞!!最悪や、なんやねん…、ありえへん、ホンマありえへん」
「んな思いっきし拒否らんでも…」
「ホンマアホや、なんでこんなん好きになっとんねん俺ぇ…」
「…へ?」
「ホンマ最悪や…鈍感、気付いてへんのん遠山とユウジ先輩と謙也さんだけや」
「ちょ、へ?そ、それはつまり、えっと…?」
「そのまんまや」
「光ぅー」
「あー……ホンマウザぃっすわ謙也さん、いっぺん死んでください」











(光のこと絶対放さへんからな!)(うざ、一々言わんでもええですわー)