マナーモードにした携帯のバイブが震えだす。
オレは、鳴る度に恐くなった。
きっとまた同じような内容のメールが送られてきている。
恐かった。
自分の性格が蒔いた種だったとしても、誰かに助けて欲しいと思った。
望んではいけないのかも知れない、それでも望まずに入られなかった。

































「今日の謙也さんとダブルスなんしたないっすわ」
「ハ?ちょ、財前!何処行くねんッ!!」




















次の日の朝練。
部室から出てきてさぁ練習すんで!って時に財前に言われた。
オレは何が何だかわからんくって、一人で自主練に向かう財前に声を掛けたのに、アイツは止まる事無く行ってしまった。













「謙也、お前最近ちゃんと寝れてへんのとちゃうん?」






財前が行った方向をボーッと見とったら白石に声を掛けられた。






「ん?」
「ん?っやないわ。みんな心配しとんで、特に財前…、」
「あー、んであんな事言うてきよったんかいな」
「…寝れへんの?」
「や、んな事はないと思うねんけどなー。昨日やってちゃんと寝たし」
「隈…ヤバイで」
「…!」
「何かあったらすぐに言いや、溜めるんは毒や」
「――――――――――おん」








































今日もまたマナーモードにしてある携帯が震えだす。
送られてくるメールの主は顔も姿も何も知らない相手。
電話を掛けて来る相手もまたそれに同じ。








ただ解っている事は、この電話に出なければ最悪な事態を招いてしまうということだけ。































今日の彼は一段と可愛いね、あの笑顔も全部君だけのモノなんだろ? いいなぁ…僕も彼みたいな恋人が欲しいよ…。 そう言えば今日は心配させちゃったね? ダメじゃないか、悪い子だなァ…。





















―――――ね 、 け ん や さ ん ?