遠くなるほどに近くなる、そんな関係が心地よかった。








見上げた空は何処までも青く澄み切って、何よりも大きく広がっていた。








いつか、誰かが、オレの心は空みたいに広いって言っていたけれど、そう言った人はきっとオレの事をちゃんと見ていないんだろう。






















(あ…、また増えとる)














静かな教室で、静かにシャーペンを走らせている人物の右耳に目を向ければ、昨日までなかったモノが存在を主張していた。


その輝きが目に付いた瞬間、何故だか心がチクリと痛んだ気がした。

















暫く前に何故開けるのか…、と聞いた時に彼は"罪の証"だと答えた。


未だにその意味はわからないし、きっと答えを聞いても教えてはくれないのだろうけれど、早く自分がその位置にまで行きたいと思った。


きっと、彼の中で自分が掛け替えのない存在になれた日には答えてくれる。














何故だかそう、漠然と思った。
















「人ん事、ジロジロ見んな」



「ん?嗚呼…すまんすまん」



「暇なんやったら帰ったらどないですか」



「待つって決めたんやし、先になん帰らへん」















夕日が差し込んで、開いた窓からはふわりと風が入り込む。


彼のワックスでセットされた漆黒の髪が風が吹く度に小さく揺れた。










先輩と後輩と云う関係であり、ダブルスのパートナーだから、と云うたったそれだけではないけれど、この空間は居心地が良かった。


何も気にする事はなく、気を配る必要性も何処にもない。


一言も発せられることの無いこの空間が心地良いと言うのは相性がいいから、だけではない気がする。













まったく正反対だからこそ、感じる物があるのかも知れない。


そう思い出した途端、何故か彼の感じている物見ている者を自分も感じ取って見たいと思った。












「なぁ、財前」



「なんですか、」



「"星の種"って知っとる?」



「なんですか、それ」



「んー…知らんかったら別にええねん」



「気になるやないですか」



「ま、ええやん」



「意味わからへんし」



「ハハハ」



















































無数に散りばめられた"星の種"
















その真実の輝きを目に出来るのはきっと        自分を知ってから













































君の手には

 種 

を掴み取れる可能性がある











2009.08.11 SEVEN STAR(Star side) 提出作品