『あけましておめでとうございます』


「あけおめー」


『ちょ、ちゃんと挨拶して下さいよ』


「光やって棒読みやん。絶対に平仮名表記やん」


『俺はええんです』


「えー、なんそれー」











新年早々に光に電話してみた。
寝てないって事は日頃のアイツの習性からして判っとったから何も気にせんと掛けたら珍しく家族と話しとったみたいでちょっと罪悪感。











「って、ゴメンな、急に電話なんか掛けてしもて」


『別にええですよ。新年早々謙也さんの声聞けて良かったし』


「え…、デレんなや」


『謙也さんツンツンして欲しいんですか?ドMー』


「お前、仮にも彼氏に向かって何をッ!」


『…』








「え?ひかるー?」





『…仮なん?』


「へ?」


『俺と謙也さんは仮の恋人やったん?』


「え、ちゃうよ?」


『…ビビるわー、謙也さんの癖に』











焦る、焦るッ!!
一瞬光が泣きそうな声出すからめっちゃ焦った。
オレなんか変な事言うたんかな?わからへんけど。











「せや、光。初詣一緒に行かへん?」


『今日?』


「今日今日!」


『むっちゃ人居ますやん、日ぃ外して』


「ワガママ」





『黙れ』











ワガママなオレのお姫様。




ちょっとしたオレの言動とか行動に一々ビビッて。
オレが光の事手放すとか思うて不安がってる。




可愛い可愛いお姫様。




オレだけしか見えへん可哀想な子。











「んー、せやったら3日4日?」


『3日はまだ多いっすわ、4日』


「ほな4日な!10時に迎えに行くわ」


『わかりました』


「寝坊とかすんなよ」


「謙也さんも」











姫始めとかそう言う類のもんはオレ等にはなくって、毎日毎日が一緒に居れればそれでええ。
そりゃ、やりたいな、とか在ったらええなって思うけど、コレが一番負担にならんくて済む状態。

何年か経ったらオレ等にもそう言う時期は自然と来る。
それまで一人の時間をちゃんと持って、ちゃんと過ごして行きたい。
きっとワガママなオレのお姫様は、もう時期この状態に耐えられんくなるから、オレはそれまで我慢。
狼になんてならへんよ。

















だからオレは





その時期までは





忠実なるキミの騎士のままで