バカみたいに好きで好きで好きでしゃーなくって、こんなに想っとるのに、俺の事なんか全然見てくれへん。
悲しいし、俺の事ちゃんと好きになって欲しいって思うのに、俺は弱いから、そないな事、本人には言えへんくて、心で思う事しか出来ひん。
何でこないな事になってしもぉたんやろ…とか、最近になってよぉ考える。
最初のうちは見とるだけでよかったのに、傍に居ってダブルスのパートナーとして笑ってくれとるだけで良かったんや。
それ以上なんて、何も望まへんかった。
それで幸せやった。
隠しとったら何時かは忘れて、普通に恋して、恋愛して、結婚して、何も躓く所なんかない筈やったのに…。
俺があの人に勝てる筈なんかこれっぽっちもなかったんや。
そう思うしか出来へん。
この現実から目を背けらな、なんや得たいの知れへんもんに押しつぶされそうで、恐い。
きっと、謙也さんは気ぃ付いてくれへん。
俺がこないに好きやって事も、ホンマに好きな相手が誰かって言う事も、自分が今、どんだけ酷い事しとるかって事も。
こんな関係、壊れてまえばええと思うのに、壊れて欲しないって思てまう。
何でこんな矛盾しとるんかな?
敵わへんねん、もう分からへんねん、何でこないに好きなん?
名前…呼んでぇや、居らんくならんといて、重いんかなぁ?
壊れてまえ、壊れんといて。
渇いて渇いて、もぉ、涙なん出ぇへんのに、心が泣いて泣いて泣いて、叫んどるんや。
ホンマは渡したくなんかあらへんのに、なんで、見てくれへんの、…?
「けん、や、さん」
お願いや、名前呼んで、大丈夫やって言うて笑って。
こないな思いせんでええくらい、好きやって飽きるくらい言うて。
もぉ、誰も見んといて。
自分から言うた癖に、なんでこない不安にさせるん?
「俺ん事…、好き?」
笑って、何言うとんねんって笑ってぇや。
何で、そない悲しそうな、苦しそうな顔すんの…?
「…好き、やで」
嘘や、嘘や、嘘や嘘や嘘や!
申し訳なさそうに言うんやめてぇや!
罪悪感なんか感じんといてぇや!
これじゃ俺が悪者やないか…、あの人から俺があんたの事盗ったみたいになっとるやんか。
「ホンマですか?」
嘘な癖に。
嘘吐くん下手な癖に。
何俺に嘘吐いとんねん、俺が判らへんとでも思っとるんですか?
「ホンマ、に」
嗚呼、…ほら、またそぉやって言う事が優しさやって思て嘘吐く。
それがどんだけ俺の事傷付けとるなんか知らへんのに、バカみたいに繰り返して。
何回も何回も、俺の傷口広げて行くんや、嘘で俺の事殺そうとする。
「もう、嘘なん、吐かんといて下さい」
「え…?」
耐えられへんねん。
相手しきれへんねん。
こない苦しなるんやって事なんか知らへんかった。
こない、謙也さんの事好きで居るんが傷付く事やなんて知らへんかった。
「一番やないのに、ちゃんと好きやって絶対に言うてくれへん癖に」
「ひ、かる?」
「気ぃ付かへんと思ぉてました?」
嗚 呼 、 コ レ デ 壊 レ ル 。