あんたの目に映ってる景色全部が、俺の目にも同じように映ればええ。
寧ろ一心同体に、思考回路、身体ごと全部、何もかも全部、同じに混ざり合ってまえばええ。
そうなったら、胸に走る痛みやったり、悲しみと一緒に流れる涙だやったり、全部無くなるような気がする。
そんなん絶対に有り得んって解ってるけど、望んで、求めてまう。
どうしようもなく心には闇が広がって、泥だらけの心。
こんなんでもキレイやって言ってくれるあんたは何も解ってない。
何一つ、俺が求めるモノはくれへん。















「もう俺、どないしたらええか自分では解らんのです。前は好きなままでええって思てました、お互いに好きなんやったらそれでええって。 でも、ホンマはそんな気持ちやなくて、めっちゃ醜い嫉妬と独占欲しか残らんかった…。このままやったら、謙也さんのこと俺のこんな想いだけで殺してまいそうで、」

「俺に言われてもなー…。そんなん当人同士の問題とちゃうんか?」

「そうなんですけど、なんと言いますか…―――――」

「謙也には言うたんか?」

「…」

「言うてないんやな」

「…はい」

「あんなぁ財前、謙也かて自分のことばっかし考えとるわけやないんやで? お前が思とることストレートに言うたらええんや。お前どうせ回りくどい言い方でしか言うてないんやろ?」

「………………なんでわかったんですか、」

「はぁ…、そんなん見とったらわかるやろ。謙也はバカやねんから、真正面から言わな理解せんて。俺かて金ちゃんに言うときはそんなんやで?」







ストレートに言うてもわかってくれるんかが問題。
一度だけやったけど、確かストレートに言うたことがあるけど、あの人は何言っとるか判らんみたいな顔して苦笑いしとった。
そんなん、ストレートに言うてもわからんような馬鹿に何言うてもムリやんか。






「なんや、疲れた…」

「ざいぜーん、もうちょい頑張ってみーや、謙也やって実は気付いとるんかも知れへんやろ?」

「白石部長は、謙也さんが気が付いてる思います?」

「…………………どないやろなぁ、あいつこっちが思とる以上にバカやからなぁ」

「明後日の方向見ながら言わんで下さいよ…、もう嫌やわ…ホンマ疲れる」







部長にも判らんような相手に何言うても無駄やん。
俺の考え自体があかんかったんか、それとも、好きになったこと事態でもう結果は見えとった?






「まぁ俺には頑張り、っとしか言えん。謙也にはそれとなーく言うとくから」

「おねがいしますわー、それでもムリやったらホンマもう別れるんで」

「うわッ、謙也可哀相やん?!それも言うとくかー?」

「別れるはいらんでしょ、気が付かん謙也さんが悪いんっすわ」

「俺としては別れて欲しないけどな」

「それは謙也さん次第」




















何処までも、何時までも、どんな時でも、好きなんは変わらんかった。
こんなん言うてても、別れるんは絶対出来へん。
それだけ俺はあの人に依存しとるし、あの人も俺に依存しとるから。



















(謙也くんに計算とか出来るハズないし、素なんやろなぁ)
(想い合っとっても辛いことがあるって、そんなん一生知らんくてよかったわ)