世界には許せない事が溢れとる。
例え、それが恋人がやった事やったとしても、許さんで怒らなアカンのや。
ホンマは怒りたくなかあらへん。
やって、やるって事はそれなりに理由があるからなんやろ?
でも、教師から言われたら怒らへんわけにはいかへん。
それが上に立つ者として当たり前の事やからや。
( 嗚 呼 、 も う 面 倒 く さ い 。 )
何回目になるんか判らへん教師からの呼び出しも、これから怒らなアカンって言う事実も何もかもが面倒になってまう。
しょーもない事で教師は怒るし、何で臨機応変に出来ひんねんって無性に苛々する。
「で、コレで何回目なんや?」
「…」
「黙っとったら解らへんやろ?」
「やって…、言わんでも白石怒るやん」
「そらそうや。アレだけ人殴ったらアカンって俺言うたよな?」
「うん」
金ちゃんが手ぇ出すなんよっぽどの事がなかったらせぇへんって言うんは解っとるんや。
やから怒りたない。
やけどそれを許してくれへんのが学校であって、大人や。幾ら俺らが正当な答えを返したかて聞き耳なん持ってくれへん。
そんなん遠の昔に解っとる事や。
泣きそうな顔して、一回も俺の顔を見ようとせぇへん。
そんな顔させたいわけやない。
嘘やでって言うて、今すぐにでもその曇っとる顔を笑顔でいっぱいにしたい。
「ごめんなさい…、出来るな?」
「ぜったいせなアカンの?ワイなんも悪いことやっとらへんのに、」
「しゃーないやろ…。泣いたもん勝ちなんや」
「そんなんおかしいやん、」
見上げられた、純粋な目。
一点の濁りの無い、澄んだ瞳。
コレからもきっと汚され続けて、
何も信じられなくなるかもしれない。
それでも、
現実は付き纏うだろう。
「…しが、」
「え?」
「白石がそう言うんやったらワイ、謝る。でも、謝るん白石のためやから、」
「金ちゃん…、」
「白石に迷惑かけたないもん」
小 さ な 身 体 に 宿 る 決 意 は
a c c e l e r a n d o
C e r t a i n