小さい頃は、我侭ばかり言って、人を困らせてばかり居た。
小2の時に弟が1人出来た。
次の次の年にもう一人弟が出来た。
俺はそれから我慢する事を覚えた。
でも、何処かで甘えたいって気持ちがあって、それを誤魔化そうと自棄を起こした時もあった。
ジャッカルって言う転校して来た友達が出来て、コイツには偽らなくてもいいんだって何故か思った。



それから、


























それから…、


























「最近の丸井は明るなったのぉ」

「そぉか?」

「おん。前みたいに無理しとらん証拠じゃな」

「ふーん…。ならさ、それ仁王のお陰じゃね?」

「オレ?」

「そうそう!」















仁王と出逢って、もっと自分を曝け出して言いって事を学んだ。
周りからしたら迷惑なことなんだろうけど、俺は早く大人になりすぎたんだって。
そうやって仁王に言われたのが中1の冬。
お人よしのジャッカルがクラスの奴に頼み事をされて部活に来るのが遅くなった日。
事務的なことでしか話したことのなかったのに、行き成り言われてムカついたのを覚えてる。
それでも、どっかで救われたって気持ちがあって、それから学校では無茶苦茶我侭を言うようになった。
最初は部活の友達だけ、それから普通の友達にも。
最近では学校では言うようになった。
初のうちはビックリされて炊けど、日に日に受け入れられていくのが分かってうれしかった。
まぁ、童顔だったし?こっちのんが自然に見えるのかも知れねぇけど…。















「俺さ、仁王に逢えてよかったかも。こーやって自由に生きられるようになったしさ、詐欺師だの何だの言われてっけど、一番信用できるし」

「それも手の内かも」

「あははー殴るぞー」















バカみたいに笑える。バカみたいな話が出来る。
今までした事がないような悪戯だって、仁王とならなんだって出来る。
今まで会ったことのない人種だったから、惹かれた。
この立ち位置、この距離感、全てが心地良い。















「見とったるけぇ、大丈夫じゃよ」

「…うん」















頑張って、ガンバッテ、がんばって。
そうやって言い聞かせて自分の首絞めて、苦痛な日々を過ごしていたのに。
あの冬の日、俺の中での白と云う色が、こんなにも綺麗で、こんなにも必要な色なんだって初めて気が付いて。
白は全部を上書きしてしまう、そんな色じゃないんだって気が付いた。
本当の俺に変われるチャンスをくれた色。
本当の俺に、暗い色なんて、悲しい色なんて似合わないんだ。































(どこまでもどこまでも広がってるこの空が、)(いつまでも晴れて悲しみを見せなかったら、)(きっと仁王は俺には気が付かなかった)